そもそもなぜ俺は文を書くのか

俺が通っていた小学校は作文教育に熱心だった。1ヶ月とか2ヶ月に1回は作文集会なるものを開いて体育館に児童が集まって決められたテーマの作文を書いていた。ほかの人はね。

俺はどうも作文が苦手だった。原稿用紙に鉛筆を立てて書こうとするものの最初の一文がどうにも書けなかった。作文に関しては全然ダメな子だったのだ。5年生の時は日記を書くのが国語の宿題代わりだったがそれも1年を通じて出したのは両手で足りるほどだったと思う。それだけ紙に物を書くというのが苦手だった。というより身の回りで起きた事を書くというのが出来なかった。

しかし、その5年生の時の作文集会で「ある写真を見てそれからストーリーを作る」という課題が出た。何かが弾けた。自分でもびっくりするくらいに筆が進む。結局2時限を使って書いたのが原稿用紙6枚だか7枚だか。ありえないと思った。それと同時に「空想を書くのは面白い」とも思った。

その後転校して作文とは縁遠くなってしまった。もちろん中学の時も。

高校を受けるに当たって「ここが受かったらパソコン買ってくれよ」と親と約束し(もちろんエロゲがしたかった)、下馬評通りに(それでもギリギリだったが)合格し、パソコンを買ってもらったが、エロゲもそこそこにメモ帳に空想をしたため始めるのである。人差し指一本ではやはり入力が遅いので「キーボードマスター」でタッチタイピングを覚え、「美香のタイプトレーナー」で速度を鍛え、下宿ですでに1人暮らしだった俺はネットワークにも繋がっていないパソコンで嬉々としてキーボードを打ちまくったのである。

パソコン(ワープロ)で文章を書くというのがこれほど楽だとは正直思っていなかった。小学校時代にすでにワープロを使って作文をするという授業だったなら多分俺はもっとかけていたんじゃないかとも思った。紙に鉛筆で書くときよりも格段に「最初の一文」が書きやすいのだ。とりあえず書いて、合わなかったら消して書き直せばいい。マス目を合わせる必要もない。ある程度のタイピング速度になると考えるのとほぼ同じ速度で画面上に文字が現れる。とりあえず書き終わるのを待たなくてもいいのだ。なんてことは結構な人がすでに言ってるんだが、全くもってそうなのだ。

こんな文を読んで「ホントかよ日記とかダリーよ」とか思ってないでとりあえず文章を打ってみてください。自分の好きなこと、物に対して適当に綴ってみるだけでいです。打ってみて初めて分かることもあるんです。生み出す快感は意外とすぐそこにあるものです。そして、更なる快感を求めてジョリーグッドなキーボードに手を出し始めるのです(笑)。
あっ、(笑)なんて何年ぶりに使ったんだ。妙に恥ずかしいぞ。