ある日うちのばあちゃんが言ったんだ。「戸っこたでできてけれ」と。
秋田では何でも「っこ」とつけます。「飴っこ、お菓子っこ、姉っこ、嫁っこ、子っこ」等。それはいい。俺もネイティブスピーカだから。「きてけれ」も「きてちょうだい」な感じの意味になります。これも当然いい。問題はだ。「たでで」である。単純に行くと「たてて」となる。「立てて」? んー?
「いやばあちゃん、倒れでねって」と返す。ばあちゃんがびっくりした顔で返す。
「わい、たででってしらねってが、たでるってば閉めるって意味だ」と。
うへー。そりゃわかんねーよ。納得しきれないまま微妙な顔もちで戸を「たてる」俺なのであった。